北海道・太平洋側 北海道・日本海側 東北 茨城 千葉北 千葉南 湘南 伊豆 静岡・浜松
伊良湖 関西・伊勢・四国 福岡・玄界灘方面 九州・太平洋側 九州・東シナ海側 日本海北部 日本海山陰 南西諸島


 北海道・太平洋側 

 最北の地、北海道。やはり水温はほかのエリアと比べると低いです。真夏でも水温は低く、ウェットスーツは必要です。ただし、気温は30℃前後まで上がることも。寒がりの人は3mmのフルスーツを着用した方が良いかもしれませんが、シーガルでも問題はありません。一方、真冬は、最近はウェットスーツの進化により海に入る人が増えていますが、最大級の防寒対策が必要になります。

 北海道の太平洋側は、主に三つのエリアに分かれます。函館エリア、室蘭〜襟裳岬の胆振・日高エリア、襟裳岬以東の十勝エリアです。なかでも胆振・日高エリアにある浜厚真ポイントは札幌から高速道路を使うと1時間以内で行けるということもあり、真夏の休日になると300人以上のサーファーが集まり、「北の湘南」といった雰囲気です。また、過去にJPSAのコンテストが行なわれた室蘭・イタンキ浜なども有名です。ほかにも河口やリーフブレイクなどのポイントがたくさんあります。

 全般的に南〜東寄りのウネリが反応します。特に十勝エリアはウネリに敏感。東〜南東〜南に向けて外洋に面しているために、広い範囲からのウネリを拾います。日本でも有数の波に敏感なエリアといえるかもしれません。一方、胆振・日高エリアは襟裳岬に阻まれるために、十勝エリアよりは東寄りのウネリが入りづらくなっています。それでも南〜南東寄りのウネリには敏感で、春〜夏〜秋にかけてはフラットになることはほとんどありません。そして函館エリアですが、南寄りのウネリは入りづらいものの、東〜南東寄りのウネリに敏感となっています。

 波が立つベストのパターンとしては、低気圧が津軽海峡を抜けて北海道の南海上を東へと抜けて行く時と、低気圧が本州東海上を北東進して行く時です。低気圧からの南〜東寄りのウネリが反応しつつ、吹き込みの風が北寄りとなって面が整う所が多くなり、遊べる所が多くなります。また、回数は多くはないものの、太平洋を北東進していく台風からのウネリも入ります。仙台新港などで南寄りのウネリが強まると、一日ほどたってから北海道にもウネリが届きます。とにかく広く、サーフポイントが点在しているために、ポイント間の移動に時間がかかります。良い波を求めるなら数100kmのドライブも覚悟しないといけません。移動だけで海に入る時間が無くなってしまわないように、時間にはゆとりをもちつつ波を予想して行動することが重要です。


 北海道・日本海側 

 北海道・日本海側ですが、メーンシーズンは西高東低の冬型の気圧配置になって北西寄りの風波が強まる冬となります。当然ながら、寒さは半端ではありません。ただし、ウェットスーツの進化は著しく、ブーツ・グローブ・キャップが一体化したドライスーツも普及。昔と比べると冬でも快適に入れるようになりました。

 代表的なポイントですが、札幌近郊のサーファーが集まるのが、小樽の銭函ポイントです。ボトムは玉石で、サイズが小さいと割れづらいものの、頭サイズ以上となるとショルダーの張るブレイクとなり、レフト方向に100m以上は走れるロングウォールが出現することも。ただし、近隣には駐車スペースがなく、除雪の邪魔となるような迷惑駐車は厳禁。また、小樽から北の石狩市や留萌市などにもサーフポイントが多く点在しています。ただし、ポイントの向きが北〜西で、北西寄りの風・波が強まると、ウネリや風をかわす所がなく、ほとんどのポイントがクローズとなってしまいがちです。そして、小樽から西に向かうと積丹半島があり、多くのポイントがあります。半島のために地形は複雑で、北東〜南西寄りの波を拾いつつも風・波をかわす所などもあり、冬型の気圧配置が強くても遊べる所もあります。また最近では、利尻島が雑誌やビデオなどでフューチャーされており、南西の渡島半島や北の稚内にかけても多くのポイントがあり、ニセコに移住したスノーボーダーによって開拓されたポイントなどもあります。

 ウェットスーツが良くなったとはいえ、やはり冬の北海道で海に入るのはかなり体に負担がかかります。海に入っている時は短期集中すること。そして、海に入っている時以上につらいのが、ウェットに着替える時。ポリタンクなどで熱いお湯を持っていくのは当然ですが、ウェットのまま家に帰ってお風呂・シャワーなんて人もいます。波の当て方ですが、重要なのは冬型の気圧配置を理解すること。冬になるとシベリア大陸では冷たい高気圧が発達し、北海道の東海上で低気圧が発達します。天気図を見ると日本付近には縦に等圧線が並んだ状態となります。このシベリアの高気圧から冷たい北西の季節風が吹き出します。この北西風によって風波が大きくサイズアップして大荒れとなります。そして、冬型の気圧配置が緩むと風も弱まり、風波は次第にまとまりながら落ち着いてきます。ただし、風波なので一気にサイズダウンしてしまうなんてこともあります。冬の日本海側のベストタイムは、冬型の気圧配置が緩んで風が弱まり始めた時となります。良い波を当てようと思ったら、天気図を見て、天気予報をきちんと確認しておきましょう。


 東北 

 東北エリアは南東〜北東寄りのウネリに敏感に反応します。春・夏は東海上を北上していく低気圧や東海上の高気圧の吹き出しなどによるウネリが反応し、秋は台風からのウネリを拾い、冬はアリューシャン付近の発達した低気圧からの北東ウネリが続きます。特に福島は日本でも有数のウネリに敏感なエリアといえるでしょう。ただし、冬は強い北西寄りの季節風にウネリが抑えられることがあり、フラットが続いてしまう場所もあります。

 ポイントの紹介です。ますは宮城エリアですが、代表的なのは仙台新港ポイントです。ここは南東寄りを向いた世界屈指のビーチブレイクを誇るポイントで、地形が決まれば6フィートのスーパーチューブにもなります。人気は高く、遠くからわざわざこのポイントを目指してくるサーファーも多いです。また多くの大会が毎年開催されています。このポイントは、東〜南寄りのウネリをメーンに拾い、最良の波になるときは、低気圧や台風が日本の南海上から北東へ進んでいくときに、東海上へ遠ざかる高気圧からの吹き出しや低気圧からの南〜南東寄りのウネリを拾い、またその後に低気圧が遠ざかるにつれて風が北西へ振れたときです。そのときはウネリがまとまってさらにサイズアップし、オフショアの面ツル、パキっとした最高のバレルを見せることが多いです! ただし、ある程度のレベルが求められ、特に堤防の近くでは流れが強く、サイズアップしたときは上級者以外は見学にまわった方が良いでしょう。なお、南東向きのために、冬場はメーンとなる北東ウネリが入りづらくてスモールサイズが続きがちですが、仙台新港よりも南に下った閖上・荒浜などの東向きの所では遊べることが多いです。なお、仙台よりも北のエリアですが、気仙沼方面や岩手も含めてリアス式海岸の中に多くポイントがあります。

 福島エリアですが、南北に延びる長いコーストラインの中にポイントが無数にありますが、北の相馬市・南相馬市、南側のいわき市が代表的なエリアです。相馬市・南相馬市では坂下・北泉ポイント、いわき市では豊間がメジャーポイントとなります。全般的にウネリには敏感で北東〜南東の幅広いウネリを拾い、一年を通してコンスタントに波はあります。また、背後には阿武隈山地があって風が入りづらく、入り組んだ地形を利用すれば風をかわして遊べます。ただし、ウネリに敏感なために、大きくサイズアップして流れなども強くなり、クローズが続くデメリットもあります。


 茨城 

 コンスタントに波があってアクセスが便利なため、首都圏サーファーに人気のある茨城エリアの紹介です。メジャーなポイントは人が集中することもあるものの、メジャーポイントを外せば人は少なくて混雑を避けることができます。茨城は大きく四つのエリアに分けられます。北から順に、北茨城エリア日立エリア阿字ヶ浦・大洗・大貫エリア鹿島エリアとなります。

 日立エリアは、いぶき浜ポイント河原子ポイントなどのビーチブレイクがメジャーポイントになります。北茨城エリア日立エリアともに、リーフのポイントなどもありますが、ローカル率が高いので、ビジターは避けた方が無難でしょう。続いて阿字ヶ浦・大洗・大貫エリアです。まずは阿字ヶ浦ですが、歴史のあるポイントなものの、正面は港の開発などによって地形が深くなってかなりサイズアップしないと割れなくなっており、現在は北寄りの那珂港ポイントがメーンになっています。大洗水族館の近くにある大洗ポイントは、パワフルで掘れた波がブレークします。初心者にはハードで、基本的には上級者向きのポイントになります。フェリー乗り場の南に位置する大貫はビーチブレイクになっており、初心者・ビジターにも楽しめるポイントです。また、茨城では珍しく、北東寄りの風を多少かわします。最後に鹿島エリアの紹介です。こちらは細分すると北から鉾田・鹿島、波崎となります。鉾田・鹿島ではとっぷさんて下が代表的なポイントで、遠浅でウネリに敏感でコンスタントにサーフィン可能。また、長い海岸線に数多くあるTバーの脇にサンドバーが形成されており、とっぷさんて以外にも多くのサーフポイントがあります。波崎は、波崎・正面がメジャー。遠浅のメローなビーチブレイクで、堤防などの人工物に沿ってサンドバーが形成されています。

 茨城エリア全体の特徴ですが、波に敏感なことが挙げられます。外洋に面しており、北東〜南東の広い範囲のウネリを拾います。夏は南東〜東、これから冬にかけては北東寄りのウネリがメーンとなり、一年を通してコンスタントにサーフィン可能です。特に冬場に西高東低の冬型の気圧配置になると、アリューシャン付近の低気圧からのグラウンドスウェルが入ります。ただし、弱点として風に弱いことが挙げられます。風をさえぎるものが少なく、オンショアが入ってしまうとジャンクコンディションになってしまいがちです。北東向きの波崎ポイント阿字ヶ浦ポイントなどでは南東寄りの風は多少かわせるものの、全般的に東寄りの風が吹くとまとまりがなくなってしまいがちです。また、天気の良い日は、日中は日差しによってオンショアが入るので、朝のうちに入っておくのが基本でしょう。最後に注意する点ですが、外洋に面しているために、サイズアップすると流れが強くなります。特にTバー脇では沖に向かうカレントが強くなるので初心者には注意が必要です。また、民家や別荘付近のポイントは、駐車等で付近の住民に迷惑をかけないようにしましょう。


 千葉北 

 日本を代表するサーフィンエリアである千葉北エリアを紹介します。千葉北エリアとは、飯岡〜太東まで60km以上にわたって続く九十九里浜、そして夷隅や大原を抜け、リゾート感のある勝浦までの総称です。飯岡方面は、千葉には難敵な北東寄りの風に強く、南〜南東寄りのウネリが合っており、吉崎浜などに南下すればさらにウネリに敏感になります。飯岡周辺はトロい波が多いものの、最近は砂が付き過ぎてサイズが出るとつながった波が目立ちます。吉崎浜やその周辺はポイントが点在し、比較的にコンスタントに遊べます。片貝周辺は、作田片貝漁港片貝新堤豊海などがあり、遠浅のためトロい波が目立ちますが、1年を通してコンスタントに遊べています。基本的には潮の引きから上げにかける時間帯が良いです。ビギナーから中級者、さらに地元出身の上級者やプロサーファーも多く、幅広いサーファー層が見られます。ただし、東京からのアクセスが良いため、特に片貝は混雑します。

 さらに南下し、白子中里一松海岸などのポイントを通過し、一宮エリアに到達します。一宮エリアは、一宮・サンライズ東浪見・志田下など、パワーのある質の高いブレイクが見られ、北東〜南東寄りのウネリを幅広く拾うためコンスタントに波があります。そのため、日本でもっともプロサーファーが多く住んでいる地域でもあります。最近は浸食が進んで本来の地形が決まりづらいものの、砂が戻って地形さえ決まればリッパブルな波が目立ちます。ただし、北東寄りの風には弱いです。また、太東は普段はロング向けの波ですが、南寄りの風に強く、他がクローズしたときなども遊べます。夷隅はテトラポットに挟まれていますが、パワーのある波を形成します。ただし、満潮時は割れづらいので、干潮時がベターです。大原は、他よりもややサイズが下がることが多いものの、周辺のポイントでは条件さえ合えば質の高い波があります。

 勝浦は、御宿部原に別れます。御宿ポイントは広いビーチが湾曲になっているものの基本的には南を向いており、普段は穏やかなことが多くロングボーダーも多いですが、台風や低気圧からの南寄りのウネリが入ると、チュービーな速い波を形成します。部原は、砂に覆われているものの元来はリーフであり、ややクセのある波で難しいものの、サイズが上がると奇麗な波を形成します。また、他にリーフブレイクなどもあります。

 このように、千葉北エリアは無数にポイントがあり、風やウネリの向きなどによってポイントを選べば一年を通してサーフィン可能な日本屈指のサーフィンエリアです。非常にレベルが高くプロサーファーも多いので、あなたのスキルアップにも役立つでしょう。また、サーフショップも多く点在するので、そこでルール・マナーや海の危険性をしっかりと学んだうえ、心からサーフィンを満喫しましょう。


 千葉南 

 南房総の鴨川エリアから和田エリアそして千歳千倉を抜けて南端に位置する平砂浦までを、通常は千葉南エリアと称します。透き通った美しい水質に恵まれているうえ、水温が温かいこともあり、特に冬場には多くのサーファーが集まります。また、アクアラインなどによりアクセスも良くなり、都内や湘南方面からもサーファーが集まります。サイズのある時にはカレントなども発生するので注意しなければなりませんが、周辺にはサーフショップも多く、各エリアに詳しいサーフショップでアドバイスを受けながらサーフィンすると上達も早くなるでしょう。

 鴨川エリアですが、マルキから南下するに従って、グランド下河口シーサイドといったポイントがあります。マルキがメジャーであり、北東〜南寄りのウネリを拾って鴨川の中ではコンスタントにブレイクし、サーファーは多く、朝や夕方は地元のローカルが集まります。南側を向いているが、サイズが上がると水量の多い肉厚なワイド気味のブレイクが形成され、サイズの大きな時には地元のプロ達などによるセッションも見られます。満潮時は割れにくくなりやすいので、ミドルタイドがベスト。グランド下は、地形が深いことが多く、ロータイド前後が狙い目となり、サンドバー次第では掘れた波となる。河口は、ワイドな速いブレイクながら、フェイスの立った波が多い。シーサイドは普段はウネリがやや入りづらいものの、サイズが上がればサンドバー次第で形の良い波も形成する。また、シーサイドは周辺に比べて南西寄りの強風をかわすのも特徴であり、向きからしても北東寄りのウネリには敏感である。鴨川エリアは、サーフィンの歴史が長く、ロングとショートがうまく共存しているエリアです。

 和田エリアに下ると、J's前白渚花篭前が主なポイントで、正面が南東方向になる。満潮時はブレイクしづらくなりやすいので、ミドルタイドが狙い。一部でリーフが混ざっているものの多くの所はビーチブレイクだが、ウネリが届けばパワフルな掘れたブレイクや速いブレイクが目立ち、和田フリークも多い。南寄りの風に弱いものの、幅広くウネリを拾い、比較的にコンスタントに波乗りできる条件に恵まれており、北〜北西寄りの風が吹きやすい冬場などは波が良い日が多いです。千歳は正面が東を向いており、リーフ混じりのビーチなので、干潮時には足を切る人もいるので気を付けましょう。東を向いているため、南エリアの中では北東〜東寄りのウネリに一番敏感であり、地形さえ良ければコンスタントに遊べる。千倉は正面が北東を向いているため、春先に多い南〜南西寄りの風をかわす。また、ダンパー気味なブレイクが多いが、条件さえ合えばチュービーとなる。平砂浦は、正面が南西寄りを向いているため、普段はウネリを拾いづらいものの、本州南海上に低気圧や台風がある場合などには南〜南西寄りのウネリが届いて本領を発揮するので、ビッグスウェルの時は要チェックです。


 湘南 

 湘南は日本でもっともサーファーが集まるエリアです。また、サーファーだけではなく、夏には海水浴客もいっぱいいます。特に藤沢鵠沼は日本でもっともサーファー・海水浴客で混むポイントの一つ。リーシュは必ず着けるなどの事故防止対策はしっかりとしておきましょう。そして気をつけなければいけないことは、夏の間は海水浴によるサーフィンのできる時間帯・エリアに規制があること。鎌倉材木座由比ヶ浜腰越藤沢鵠沼の片瀬東浜・西浜と辻堂が海水浴場になっています。海水浴場になっている所では、午前8時か9時以降にはサーフィンが禁止になるか、サーフィンが可能なエリアが限定されてしまいます。また、道路も含めて大混雑。そして、日中は気温が上がってオンショアが吹き、ジャンクな状態になることも多い。夏場は午前5時にはすでに日が昇っていて明るく、海には入れます。日の出から朝一サーフィンを2時間楽しんで、その後はビーチでまったりと過ごすなんていうのもあり。そして、さらに狙いは夕方から日没前。日中に吹いたオンショアによって風波がサイズアップし、気温が下がってきた夕方には風が弱まって風波がまとまるなんてことも良くあります。夕方には海水浴による規制も終わっており、ファンウエーブを少人数で貸し切りなんてことも。

 続いてエリアの紹介です。まずは鎌倉エリアから。鎌倉は材木座由比ヶ浜のビーチブレークのポイントと、鎌倉高校前稲村ヶ崎のリーフブレークのポイントに分けられます。材木座由比ヶ浜は初心者から上級者までのあらゆるレベルのサーファーが楽しめます。また特徴として、湾内にあるので他のポイントと比べるとウネリを拾いづらいものの、ほかの所ではジャンクで良くない南〜南西風のオンショアが吹いてもそれなりに楽しめます。そして、鎌倉高校前稲村ヶ崎は、リーフブレークのためにいつも地形が安定しており、規則正しくきれいに波が割れます。普段は藤沢エリアと比べるとサイズが小さいことが多く、またメローな波質のためにロングボーダーでにぎわっています。ただし、台風のウネリなどによってサイズアップすると一変します! 日本でも屈指のビッグウエーブスポットの稲村ヶ崎を筆頭に上級者オンリーのコンディションに変わり、プロ・トップアマのセッションになります。そんな時はギャラリーとなった方が無難でしょう。

 次に藤沢エリア藤沢エリアは駐車場などの施設が充実しているために、人の多い湘南のなかでもさらに人が集中。その藤沢エリアは、鵠沼辻堂の二つに分かれます。鵠沼は湘南のなかでも一番ウネリに敏感で、波が無いといわれる湘南のなかでも完全なフラットになることは少なく、とりあえずロングでなら遊べる程度の波はコンスタントにあります。一方、辻堂鵠沼よりもパワーはあるものの潮が多いと割れづらいことが多いです。干潮時には辻堂、満潮時には鵠沼を狙うのがセオリー。また、鵠沼辻堂ともに南東〜西寄りの波が反応しますが、南東寄りのウネリの時はワイドなダンパーブレークになることが多いです。逆に西〜南ウネリの時はロングショルダーが続くこともあります。鎌倉エリアも含めて波が上がるベストパターンは、低気圧が南海上を抜けて行くか、台風がフィリピン付近から日本に向けて北上してきている時となります。

 続いて西湘です。西湘とは、相模川よりも西側のことで、具体的には平塚から湯河原までになります。メジャーなポイントは、平塚・生コン前花水大磯湯河原・吉浜です。また、酒匂川河口などの日本を代表する河口のポイントもあります。平塚・生コン前ですが、相模川のすぐ西側にあるポイントで、平塚漁港の堤防に沿って割れるレフトのブレイクがメーン。サイズの小さい時は厚い波が多いものの、いったんサイズアップするとパワーのある掘れた波となります。花水ですが、ここは花水川河口レストハウス前の二つに分けられます。レストハウス前は、食堂・花水レストハウスの無料駐車場の正面になります。典型的なビーチブレイクでビギナーでもサーフィン可能。一方、花水川河口は、雨が降ると花水川から流れ出す砂がたまり、レギュラー・グーフィーともにパーフェクトブレイクとなることがあります。ただし、河口のポイントのためにポイントブレイクに近く、波が良い時はプロ・トップアマのセッションとなり、ビジター・ビギナーが波を取るのは困難になります。大磯ですが、堤防の近くにある岩を挟んで、西側が源二・東側がメーンとなります。大磯の一番の特徴は、海岸線が湾曲して南東向きのためと大磯漁港の堤防によって、他の湘南ではサイドオンショアとなる南西風をかわすこと。南西風が強く吹いた時には、ほかの湘南のポイントはジャンクでも大磯では整った波で遊べることがあります。近くに県営の駐車場があるのでビジターには訪れやすいものの、ローカル率も高いので、ここもコンディションが良い時はビジターが波を取るのは比較的に困難になります。この平塚・大磯エリアは、相模湾の一番奥となるために、鵠沼などと比べると波は立ちづらいものの、その分サイズアップするとパワーのある波となります。全般的に中級者以上向けといえます。湯河原・吉浜ですが、ほかのポイントからは大きく離れており、真鶴半島よりも先にあってもう一歩足を伸ばせば伊豆半島。最大の特徴は東ウネリに敏感なこと。ほかの湘南は南向きですが、伊豆半島のほぼ付け根にある湯河原・吉浜は南東向きとなっており、房総半島に阻まれるためにほかの湘南のポイントでは入りづらい東ウネリをダイレクトに拾うことができます。ほかの湘南のポイントではまったく波が無いのに、湯河原・吉浜だけは胸〜頭サイズということがあります。

 西湘は同じ湘南でも駐車場などが完備されて電車でも通える鵠沼などと比べると、ビジターよりもローカル率が高いです。また、多くのプロサーファーを輩出していることからもわかるようにローカルはコンペティティブでレベルは高いです。特に河口のポイントではパーフェクトなブレイクをするもののコンディションはハードで、波の良い日にビジター・ビギナーに波がまわってくることはほとんどありません。自分の技量を考慮してうえで海に入るようにしましょう。


 伊豆 

 日本でも屈指の美しいビーチが点在する伊豆エリアの紹介です。「伊豆」と言えば、「まぶしいほどの真っ白なビーチにエメラルドブルーの美しく澄んだ水」を連想するでしょう。ビーチはパウダーのようにきめ細かくて美しく、水質は国が認める最高ランクの"AA"であり、澄んだ水は地平線まで延々と続いています。波質はファンなビーチブレイク〜クラシカルなリーフブレイク、ハワイ・ノースショアにも匹敵するようなハードなリーフブレイクまでもが存在。この素晴らしい環境の中から、「世界にもっとも近い男」と呼ばれる「大野修聖プロ」のような素晴らしいサーファーが生まれています。

 伊豆半島は山に囲まれたアイランドスタイルのビーチ。そのため、ポイントによって波の質・癖などはまったく異なり、バリエーション豊かな地域。湘南から国道135号線を南へ下ると、宇佐美熱川今井浜白浜多々戸入田大浜田牛のポイントが点在します。

 ビギナー〜上級者までの幅広いサーファーが楽しめる代表的なポイントは白浜多々戸ポイントです。白浜は、向かって左から神社前河口中央レステル(レスポ)前の3つポイントに分けられます。この3つのポイントで、サイズ・風向きなどによって波質やパワーが異なり、バリエーションは豊かです。ウネリは北東〜南東をキャッチし、北の強いウネリはレステル前、南の強いウネリには神社前がヒットし、どちらも美しいパワフルなバレルが出現するときがあります。風は西がベストで、北西〜南でも問題なし。また、東寄りのオンショアのときでも、見た目よりも十分楽しめることがあります。白浜から南へ20分ほど車を走らせると、コンパクトで美しい多々戸ポイントが姿を表します。スモールサイズのときは比較的パワーのないイージーな波質が多いものの、白浜と同様にサイズ・ウネリ・風向きなどによって波質は変化し、消波ブロック横は常に強いカレントが流れ続けていることが多いので、ビギナーサーファーは注意しておきましょう。ウネリは南〜南西がベストですが、冬場の西の季節風による波も敏感に反応し、ワイドな波質ながらもホテルジャパン寄りでは東ウネリもキャッチ。風は北〜北東がベストで、北西〜西風でも遊べるときが多いです。

 近年ビギナー・ロングボーダーのトラブルなどが多発しているので、マナーやモラルはしっかりと守るように心がけましょう。砂が付きやすい所では、多くのローカルがセッションすることが多いので、注意が必要です。伊豆には代々受け継がれた素晴らしいサーフィン文化があり、それを守り続けているローカルサーファーが多くいます。ビジターの方は伊豆のプロショップで様々な情報を入手して伊豆サーフィンの歴史などもぜひ学んでみましょう。


 静岡・浜松 

 静岡県は大別すると伊豆エリア静波・御前崎・浜松エリアとなりますが、今回は静波・御前崎・浜松エリアの紹介です。静波・御前崎・浜松エリアは遠州灘に面した外海の御前崎・浜松エリアと駿河湾内の静波エリアに分けられます。

 まずは静波エリアの紹介。駿河湾の南西部に位置した東向きのポイントで、過去にはWQSが行なわれたほどメジャーです。オフショアは北西寄りで、メーンのウネリは東寄り。ビーチブレイクで良い波となるかどうかすべてはサンドバー次第。また、メジャーなポイントではあるものの、内海のためにウネリが入りづらく、スモールコンディションとなりがちです。南〜西寄りのウネリは入りづらいので、コンディションが良くなるのは南海上から東海上へ低気圧や台風が抜けていった時となります。

 次に御前崎エリアの紹介。静波から南西にあり、御前崎岬から西側の南向きのエリアとなります。外海で遠州灘に面しているためにウネリには非常に敏感。西〜南〜東の幅広いウネリを拾います。本土の中では南海上からの台風からのウネリにもっとも敏感なポイントでもあり、大きくサイズアップすることが頻繁にあります。ただし、弱点はウネリに敏感すぎることと風に弱いこと。ウネリに敏感な反面に、少しでもウネリが強くなってしまうと簡単にクローズしてしまいます。台風や低気圧からのウネリが入り始めたかと思ったら数時間後にはクローズなんてこともあります。また、御前崎は日本でも有数の風が強い地域。風が吹き抜けやすくて簡単に風の影響を受けてしまい、特に西風が吹くとジャンクになってしまいます。

 最後に浜松エリア。遠州灘の中央付近にあり、御前崎エリアと同様にウネリに非常に敏感。南〜東寄りのウネリを拾い、コンスタントに波はあります。ただし、ここも弱点はウネリに敏感過ぎることと風の影響を受けやすいこと。ウネリには敏感で、ビーチブレイクのために強いウネリには耐えられず、御前崎と同様に台風などからのウネリが入り始めると一気にクローズしてしまいがちです。逆に、冬は日本アルプスを越えてくる強い北風にウネリが抑えられてしまい、スモールコンディションが続くこともしばしばです。また、その他の特徴としては、海岸線が東西に一直線に延びており、簡単に地形が変わってしまって安定しないことです。良い波を当てたければマメに地形を確認しておかなければなりません。

 ゴミなどは絶対捨てないこと。また、ビーチクリーンなどにも参加しましょう。日本を代表する砂丘などもあります。海岸はきれいにしましょう。また、メジャーで開かれたビーチもありますが、ローカル色の強いポイントもありますので、広いエリアでポイントもたくさんあるので、ビジターの方はローカルポイントを避けた方が楽しめます。


 伊良湖 

 WQS 6STAR YUMEYA BILLABONG PRO TAHARAが行なわれたロングビーチで有名な伊良湖エリアの紹介です。渥美半島の付け根の寺沢方面から、ロングビーチなどのある赤羽方面、さらに渥美半島先端のその名も先端ポイントなどがあります。

 エリアの特徴ですが、何といっても波があること。外洋に面しておりウネリをさえぎるものがなく、寺沢・赤羽方面ともに東〜南西寄りのウネリを敏感に拾います。ただし、ウネリに敏感なために、台風などのウネリが入りだすとほとんどの所でクローズしてしまうなんてことあります。冬場は強く吹く北西寄りの風にウネリが消されてしまいスモールコンディションになりがちですが、春〜秋にかけてはコンスタントにサーフィン可能です。

 波の当て方ですが、北西寄りの強い季節風が吹く冬場は波が無くなることもありますが、春〜秋にかけては波の無い日はほとんどないといっても良いくらいにウネリに敏感。沖合を低気圧が抜けた時などは間違いなくサイズアップし、高気圧に覆われていてもフラットになること少ないです。そこでポイントになるのは風です。外洋に面しており、風を遮るようなものがほとんどなく、かなり風にはシビアです。北〜北西寄りのオフショアが吹いているとコンディションは整うものの、南寄りの風が吹いてしまうと多くの所が波質を落としてしまいます。とにかくオフショアを狙うことです。また、外洋に面しているために、簡単にボトムの砂が移動してしまい、地形が安定しないのも弱点です。良いブレークを当てるには、マメに通って地形の変化を確認しておく必要があります。

 また、ウネリに敏感なために簡単にクローズすると書きましたが、そんな時でもサーフィン可能となるのが先端ポイントです。台風などでほかの表浜がクローズするようにまでサイズアップして始めてブレークします。西向きのために、東風がオフショアとなります。ただし、強いカレントが発生することが多く、基本的にはエキスパート向けとなります。中級者以下はギャラリーとなった方が無難でしょう。

 WQS 6STAR YUMEYA BILLABONG PRO TAHARAが行なわれたロングビーチ伊良湖エリアの中でも一番メジャーで、トイレや駐車場などの施設が充実しておりビジターにも人気で多くのサーファーが訪れます。ロングビーチに沿いの道路は渋滞を避けるために一方通行になっています。東側の大松屋食堂側から入り西の消防署側から出るようにしましょう。また、ロングビーチ一帯では事故が多くなっており、車上荒らしなども多発しています。これらの問題を受けて田原警察署や海上保安部の協力のもと「TAHARA SURF PATROL」が結成されました。青いライフジャケットの隊員の呼びかけには応じるようにしてください。


 関西・伊勢・四国 

 まずは関西サーファーの登竜門といえる和歌山磯ノ浦から紹介。和歌山県と大阪府の県境付近に位置しており、大阪からはアクセスが良いです。また、南海電鉄を使って訪れる電車サーファーも多く、南加太線磯ノ浦駅から徒歩2分でビーチとなっています。ポイントの特徴ですが、一番の特徴は残念ながら波があまり立たないこと。紀伊水道の奥に位置しており、紀伊半島や四国に阻まれてウネリが届きづらくなっているためです。東寄りの波が反応することはまずありません。一週間を通して波が無いなんてことも良くあります。では、どんなときにサイズアップするかというと、まずは、南風が強く吹いた時です。紀伊水道を抜けて南風が強くと、風波ながらもサイズアップします。見た目は良くないものの、大きくサイズアップするとアウトから乗りつなげられるようになることもあります。また、ヒザから腰くらいのサイズの時には初心者のテイクオフの練習などにはもってこいです。そして、台風や低気圧による南〜南西寄りのウネリでもサイズアップします。低気圧が南海上を通過した時や、台風が南海上にある時は紀伊水道を通って南〜南西寄りのウネリがしっかりと反応します。ワイドでダンパー気味のブレイクになることが多いものの、きれいに整ったラインナップとなって、すばらしいブレイクを見せることもあります。

 次に志摩半島の伊勢エリアの紹介です。このエリアは大きく二つに分けられます。志摩市にある東向きの国府ノ浜・市後浜エリアと、南向きの浜島エリアです。この国府ノ浜・市後浜エリアでメジャーなのが国府ノ浜ですが、沖に消波ブロックが何カ所にも入っており、この消波ブロックによってポイントが分かれています。北から順にメインテトラ前ラスタ前三角水門前松林となっています。また、市後浜国府ノ浜から岬を挟んで約2km南に位置しています。一方、浜島エリア南張ジャンという南向きのポイントになっています。続いてポイントの特徴ですが、浜島エリアは南向きで、南寄りのウネリにしか反応しません。また、地形が深いために割れづらくなっており、一年を通してサーフィン可能な日は多くはありません。ただし、台風などからのしっかりしたウネリが入るとパワフルなブレイクが出現します。次に国府ノ浜ですが、こちらは南寄りのウネリは拾いづらいものの、東ウネリが反応します。ただし、沖に入っている消波ブロックの影響などもあり、各ポイントによって多少の変化はあるものの、比較的にスモールサイズでパワーのないことが多いです。ただし、地形の良い時などはファンウエーブとなることもあります。最後に市後浜ですが、サイズアップする条件は国府ノ浜と一緒で東ウネリを拾いやすく、国府ノ浜よりはパワフルとなっています。

 続いて四国ですが、関西サーファーにとってなじみ深いのは徳島方面でしょう。代表的なポイントは生見で、東〜南寄りのウネリを拾い一年を通してコンスタントに波があります。風の影響も受けづらく、ボトムはビーチでブレイクはイージーなこともあり、上級者から初心者の幅広い層に渡って楽しめるポイントです。生見より南に下った尾崎も人気のあるビーチブレークで、生見とほぼ同じ条件でサイズアップし、コンスタントにサーフィン可能なポイントです。一方、生見よりも北に上ると宍喰海部内妻ポイントがあります。この三ポイントはサイズアップする機会は少なく、また海部がサイズアップしてコンディションが良くなるとローカル・プロのセッションとなるので、ビギナー・ビジターが良い波に乗れることはあまりないと思われます。なお、高知には物部仁淀などの日本を代表する河口のポイントがありますが、こちらもローカル・エキスパート向けのポイントで、ビジター・ビギナーが乗れる機会はほとんどないと考えた方がよいでしょう。


 福岡・玄界灘方面 

 九州・玄界灘方面の紹介です。夏でもサイズアップしますが、九州・玄界灘方面のメーンシーズンは日本海側と同様に秋〜冬〜春です。西高東低の冬型の気圧配置なって強い北寄りの風が吹くと風波が大きく強まってジャンクながらもサイズアップします。狙いは冬型の気圧配置が緩んで強かった北寄りの風が弱まり始めた瞬間。それまではジャンクだった波がまとまり始めて、奇麗にシェイプされます。ただし、風波がまとまると同時にサイズダウンし始めて、半日後にはスモールコンディションとなることもしばしば。狙いは北寄りの風が弱まった瞬間だということを忘れずに。

 エリアの紹介です。九州玄界灘方面は、福岡市博多を挟んで、東側となる福岡県北九州市〜福岡市東区にかけての北九州・福岡東エリアと、西側となる福岡県志摩町〜佐賀県唐津市の福岡西・唐津エリアに大別できます。

 北九州・福岡東エリアの代表ポイントは、北九州の岩屋ポイント、宗像の汐入川河口波津漁港釣川河口ポイント、福岡市東区の三苫ポイントです。いずれもボトムはサンドで、波には敏感で、初心者でもサーフィン可能。風・波が強まって、風が弱まって落ち着き始めた時を狙うのが基本です。なお、上記のポイント以外にリーフのポイントもありますが、上級者向きとなります。

 続いて福岡西・唐津エリアの紹介です。志摩町の大口二見ヶ浦野北芥屋ポイントと、佐賀県・唐津市の立神ポイントが代表的なポイントです。二見ヶ浦野北芥屋はビーチブレイクで、初心者からサーフィン可能。これらのポイントもほかと同様に、風波が強まり、オンショアが弱まって落ち着き始めた時が狙い。野北は初心者向けなのに対し、二見ヶ浦はスモールサイズだと初心者でも楽しめるものの頭サイズ以上になるとアウトでパワーのあるブレイクとなる上級者向けポイントです。大口は、ビーチブレークとロックブレークがあり、ビーチブレークは初級者からサーフィン可能なものの、ロックブレークはテイクオフのハードな上級者向けとなります。

 そして佐賀の唐津ですが、福岡のポイントと同様に北寄りの風・波が強まり、風が弱まり始めた時が狙い。立神ポイントがコンスタントに波があってメジャーになっています。ただし、唐津のポイントは駐車スペースが狭いこともあり、ローカル色の強いポイントが多くなっています。上級者向けのポイントも多く、初心者の方などはサイズのある時にはギャラリーとなった方が良いでしょう。


 九州・太平洋側 

 九州太平洋側の紹介です。このエリアには大分や鹿児島大隅半島も含まれるものの、メーンとなるのは宮崎。宮崎は日本でも屈指のサーフエリアで、国際的なコンテストが行なわれることも多く、海外にまで名の知られたエリアです。最近では行政のサーフィンに対する理解度も高く、ビジターに対してもオープンなポイントも多くなっています。

 宮崎の特徴は何といっても波が豊富なことで、季節を問わず一年を通してコンスタントに波があります。

 春・夏・秋は東〜南ウネリがメーンとなります。ウネリには敏感で、低気圧や高気圧にかかわらず、日本の南〜東海上で北東〜東〜南東〜南〜南西風が吹くような気圧配置になっていれば波があると思って間違いはないでしょう。また、台風の時期は、沖縄などに続いてウネリが反応し、本土ではもっとも早くサイズアップします。ただし、波が豊富な反面、大きくサイズアップすることも多く、ビーチではクローズすることが少なくないのが難点です。ビーチがクローズするような時はリーフでのサーフィンとなります。過去にワールドチャンピオンのトム・カレンが始めて乗ったために「カレンズポイント」と名がつけられたポイントもあり、上質のリーフのポイントが点在しています。ただし、そのようなポイントは上級者オンリーとなり、ビギナーにはとても危険なので控えた方が無難でしょう。

 冬も波が無くなることはありません。冬の間も北東〜東〜南東ウネリがコンスタントにありつつ、冬型の気圧配置になり豊後水道を吹き抜けてくる北風による波もアップします。ただし、北寄りの波がアップするときは沿岸では北東風が入ってジャンクになりやすく、北東風をかわす所でのサーフィンが基本です。

 続いてエリア・ポイントの紹介です。宮崎は、日向宮崎市日南の三エリアに分けることができます。

 まずは北の日向エリアですが、小倉が浜金ヶ浜が代表的なポイントです。波のあがる条件は上記の通りですが、特徴としては北東風に強いことです。冬で北寄りの風が吹くときでも地形の影響などで宮崎市付近と比べると北東風が入りづらく、遊べるコンディションを保ちます。

 続いて宮崎市付近です。代表的なポイントは木崎浜で、一年を通してコンスタントに波はあります。ただし、弱点は風が入りやすいこと。北東風のみならず、春・夏・秋は、気温の上昇と共に日中はオンショアが入りやすいので、コンディションが整うのは朝・夕が多くなります。また、ウネリに敏感な反面クローズしやすいのも弱点です。そんな時は子供の国ポイントに向かいましょう。北東に向いており、橋でつながっている青島にウネリは遮られ、ほかよりもサイズアップしづらいためです。

 最後は日南エリアです。代表的なポイントは大浦です。ほかにも上質なリーフや玉石のポイントがあります。ただし、リーフや玉石のポイントということもあって、基本的には上級者向けの所が多いです。また、キャパシティーの少ないポイントも多いです。ビギナー・ビジターの方にはやや敷居の高いエリアといえると思います。


 九州・東シナ海側 

 九州東シナ海側の紹介ですが、めずらしく梅雨の時期でも波のあるエリアとなります。梅雨は、通常5月から始まり7月に終わります。ちょうど春から夏に変わる時期です。この春から夏にかけては北の冷たい空気と南の暖かい空気がせめぎ合っており、最終的に夏の空気が勝って夏となります。この二つの空気塊の境目が梅雨前線。北の冷たくて湿った高気圧からは北東風が吹き出し、南の暖かくて湿った高気圧からは南〜南西風が吹き出します。梅雨時に雨が続くのは、この湿った空気がぶつかり合うためです。梅雨前線の南側では南〜北東風が吹き続け、北側では北東風が吹き続けています。今の時期はちょうど九州付近に梅雨前線がほぼ停滞しており、梅雨前線に向けて吹く南西風による波でサイズのある状態が続きます。

 波の当て方ですが、狙いは梅雨前線が南下した時。先ほど説明したように、この時期の九州東シナ海側は梅雨前線に向けて吹く南西風でサイズアップします。ただし、風波のためにサイズはあってもまとまりはありません。ただし、梅雨前線が南下すると北東風に変わり、南西寄りの風波がまとまります。この梅雨前線の南下した時がベストです。天気予報をマメにチェックし、九州付近にかかっていた梅雨前線が南下する予想になっていたら、良い波は約束されたようなもの。

 梅雨があけるといったん波は無くなりますが、風が頻繁に発生するようになり、東シナ海を北上してゆくと南西〜北西寄りの波が強まります。そして、秋から春にかけては、北西の北西風による風波も強まります。冬型の気圧配置が強まって北西寄りの風・波が強まり、冬型の気圧配置が緩んで風が弱まって風波がまとまり始めた時が狙いです。

 代表的なポイントは、鹿児島・日置市江口浜です。周囲は江口浜海浜公園となっていて、駐車場・トイレなども完備されています。ただし、ここ数年は砂の量が減っており、地形は深く、潮が多いと割れないことが多いです。東シナ海は潮の動きが大きいので、潮回りをきちんと確認しておく必要があります。さらに、北に向かって熊本・天草、長崎にかけてもポイントがあります。熊本・天草のポイントは、熊本市から約2時間かかり、決してアクセスは良くありません。また、多くのポイントがキャパシティーは小さいので、ローカルへのリスペクトは忘れずに。鹿児島江口浜では、コンスタントにビーチクリーンが行なわれているので、積極的に参加しましょう。


 日本海北部 

 東北日本海側の紹介です。波の上がるパターンですが、日本海全般を通していえることですが、夏にもサイズアップすることがあるものの、基本的には晩秋から冬を通して早春までがメーンシーズン。この時期はいわゆる西高東低の冬型の気圧配置になり、冷たい北西の季節風が吹き出し、日本海は大しけとなります。大きくサイズアップはするもののジャンクな状態。この冬型の気圧配置が緩むと風も弱まり、風波は次第にまとまりながら落ち着いて、サーフィン可能な状態となります。ただし、サイズダウンが一気に進むこともあります。狙いは、この冬型の気圧配置が緩んで北西寄りの風が弱まって風波が落ち着き始めた時となります。

 まずは、秋田エリアですが、由利本荘市の西目ポイントがメジャーです。南西〜北西寄りのウネリを拾うものの、この時期のメーンのウネリは北西。ビーチブレークのポイントですが、漁港の堤防脇などは地形が安定していることが多いです。また、北西風が強くてジャンクな時でも、近くの漁港ポイントでは風・波をかわしてサーフィン可能となります。秋田にはそのほかにも多くのポイントがあり、男鹿半島の南側では北寄りの風をかわす所などもあります。

 次に山形エリアですが、鶴岡市の湯野浜などがメジャーポイント。ここもメーンの波は西〜北西。冬型の気圧配置が強まって北西寄りのジャンクな風波が強まり、冬型の気圧配置が緩んで風が弱まって風波がまとまり始めた時が狙い。ただし、こちらも周囲には風・波をかわし、北西寄りの季節風が強くてもできるポイントもあります。

 最後に新潟エリア。ここも基本的には冬型の気圧配置による季節風によってサイズアップすることが多いのですが、沖合に佐渡島があるために北西寄りの波は拾いづらく、北か西寄りの波がメーンとなります。メジャーなポイントは新潟市の五十嵐浜。典型的なビ-チブレイクで全体にパワ-のないものの、消波ブロック脇からのライトブレイクはサイズが落ちても比較的ロングライドできる事が多いです。

 日本海は全般的にいえることですが、きれいなウネリでサイズアップすることは少なく、基本的には風波です。この風波は一気にサイズアップするものの、サイズダウンするのも早いです。ジャンクな状態からサーフィン可能にまで落ち着いても、数時間するとスモールコンディションになることも度々あります。狙いはとにかく風が弱まり始めた瞬間。天気予報で冬型の気圧配置が強まると言っていたら風波がサイズアップし、冬型の気圧配置が緩むと言っていたら風波がまとまってコンディションが良くなると考えておきましょう。


 日本海山陰 

 日本海側の山陰方面です。春〜秋にかけて台風や発達した低気圧などへの吹き込みによって北寄りの風波が強まることもあり、また南西寄りの波が反応することもありますが、冬場の冬型の気圧配置によって吹く北寄りの季節風による風波がメーン。北向きのポイントが多く、冬型の気圧配置が強まって北寄りの風が強まってジャンクな風波も強まり、冬型の気圧配置が緩んで風が弱まり風波がまとまり始めた時が狙い。また、地形などによってオンショアや波をかわし、北風が強いなかでもサーフィン可能なポイントもあり。さらに、高気圧に覆われて風は弱いが、北日本では冬型の気圧配置になっていて日本海北部で北風が吹き続いているときなどはしっかりとした北ウネリが入り続けることもあります。とにかく、キーワードは「冬型の気圧配置」で、天気予報でこの言葉が聞かれたら、何らかの変化があると思ってください。

 まずは、関西方面からも訪れやすい鳥取エリアから紹介。東側の鳥取市付近はビーチブレイクがメーンで、「因幡の白うさぎ」の昔話で有名な白兎海岸石脇ポイントなどがメジャー。キャパシティーのあるポイントが多くて比較的にビジターにもオープンで、県外サーファーも多く訪れます。ただし、風が強まるとコンスタントにサイズアップするが、クローズもしやすいです。一方、西側は、ビーチがクローズするまでサイズアップするとサーフィン可能となるリーフがメーン。ただし、ハードなリーフブレークということもあって、ビジター・ビギナーが入らない方が無難でしょう。

 続いて島根エリア。メジャーなのは、広島などの山陽方面からも浜田自動車を使うことによって行きやすい浜田市の千畳ポイント。エリア全体として北西向きで、北西寄りの波に敏感で、北西寄りの風が強まるとサイズアップします。クローズしやすく、狙いは日本海の鉄則の風が弱まり始めた時ですが、島根半島に西側などには北寄りの風をかわす所などもあります。

 最後は、山口エリアの紹介。山口エリアも冬の季節風による波がメーン。ただし、他の日本海エリアとは異なり、本州最西端にあって入り組んだ地形もあり、北向きだけではなく東や西〜南西向きのポイントもあって、北寄りの風・波が強い時でも、波・風をかわしてサーフィン可能となる所もあります。また、ビーチ・リーフ・河口それぞれのブレークがあり、初心者から上級者向けのさまざまなポイントがあります。また、暖かい対馬海流が入ってくるため、冬でも水温は高めです。ただし、川尻・大浜ポイントなどは比較的にメジャーですが、ポイントは狭くて上級者向けのために、ビジター・ビギナーは避けた方が良いポイントも多いです。



 南西諸島 

 種子島・奄美大島・沖縄など南の島々の紹介です。種子島・奄美大島・沖縄ともに二つのエリア・季節に分けられます。冬場の季節風によって風波が強まる東シナ海側と、春〜秋をメーンに南〜東ウネリを拾う太平洋側となります。

 まずは冬場の東シナ海側の波の上がり方ですが、本土の日本海側と同様に、冬になって冬型の気圧配置になって強い北寄りの風が吹くと風波がサイズアップ。冬型の気圧配置が緩んで風が弱まり始めて風波が落ち着き始めた時が狙い。

 続いて太平洋側ですが、東〜南寄りのウネリをコンスタントに拾うので、低気圧が南〜東海上を通過した時や、太平洋高気圧から吹き出す東風によるウネリでもサイズアップ。さらには、どこよりも早く台風からのウネリが反応し、年によっては1月から12月にまで一年を通して台風のウネリが入ることもあります。

 まずは種子島から紹介。太平洋側のメジャーなポイントは鉄浜です。一年を通してコンスタントにサイズがあり、小さいサイズから遊べてベストなサイズは頭。そのほかにも、台風などでビーチがクローズした時に本領を発揮するリーフやアウターリーフのポイントもあります。一方、東シナ海側は、ヨキノポイントなどがメジャー。冬の季節風のみならず、台風や低気圧が東シナ海を抜けた時にもサイズアップします。

 続いて奄美大島。一番メジャーなのが、太平洋側の手広ポイント。ここも一年を通してコンスタントに波があり、ローカルでにぎわっています。リーフブレークで、レフト・ライトともにロングライドが可能。ほかにも台風や発達した低気圧によってダブルサイズでも楽しめるポイントなどもあります。東シナ海側は、戸円・蒲生ポイントなどが強い北風でサイズアップします。

 最後に沖縄の紹介。沖縄でサーフィンをするうえで一番大切なことは潮回りです。沖縄でのサーフィンはサンゴでできたリーフによるブレイクのみ。潮が引くとこのサンゴによるリーフがでてしまい、サーフィン不可能となります。サーフィン可能なのは、満潮を挟んでの前後3時間の計6時間のみとなります。タイドテーブルはしっかりと確認してきましょう。太平洋側のメジャーポイントは、南部のスーサイドポイントです。一年を通して波があり、コンスタントにサーフィン可能。特に台風からのウネリには敏感で、どこよりも早くサイズアップします。ただし、頭サイズ以上になるとリーフが持たず、台風北上時などは、数十分のうちにクローズすることもあります。東シナ海側のメジャーポイントは北谷町のボウルポイント。冬場の北西風や東シナ海を抜けて行く低気圧や台風によってサイズアップ。ダブル位のサイズになってチューブを巻くこともあります。

 
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